税理士・会計事務所のAIエージェント活用|未受領資料を照合
担当者が決めた資料一覧と架空の受領表から、未受領一覧と依頼文案を作る方法。IDでの照合、重複の検出、受領済み資料の再依頼を防ぐ確認手順を紹介します。
税理士・会計事務所では、必要な資料を担当者が決めた後、受領状況を確認して顧問先への依頼文を作ります。AIエージェントに一覧を読み合わせ、未受領の資料だけを抽出して、依頼文案と確認表を別ファイルへ保存する流れを紹介します。
税務上必要な資料や法定期限をAIに決めさせる方法ではありません。実在する顧問先の帳票や口座情報を使わず、架空の提出状況表で試します。
専用フォルダを選び、まず読み取りだけを依頼する
PCに練習専用フォルダを作り、その中にinputというフォルダを作ります。テキストエディタで、下に示す各ファイルをUTF-8のテキストとして保存してください。CSVは見出しも含めてコピーします。CSVとは、項目をカンマで区切った表のファイルです。
会社が利用を認めたCodexまたはClaude Codeで、この練習フォルダを作業場所として開きます。初期設定や画面はPC・契約・管理者設定で異なるため、Codexを選べるOpenAI公式アプリ案内かClaude Code公式案内で導入方法を確認してください。設定や実行命令が分からない場合は、社内の担当者に確認してから進めます。
ここでいうAIエージェントには、文章の回答に加え、許可された範囲でファイルを読み、照合用の処理を作って実行し、結果を保存するところまで依頼します。チャットでもファイル作成などは可能な場合があり、製品の優劣を示す区分ではありません。
練習用の2ファイルを保存する
input/required.csv
id,document,period,requested_date
D01,売上請求書控え,9月分,2026-11-05
D02,経費領収書,9月分,2026-11-05
D03,取引明細の確認表,9月分,2026-11-05
input/received.csv
id,status
D01,未受領
D02,受領済み
D03,確認中
変更する前に、読む範囲と作るものを確かめる
入力ファイルを保存したら、エージェントの会話欄へ次を送ります。
input内の練習ファイルを読むだけにしてください。
入力の列・件数・不足を整理し、照合の方法と作るファイルを計画として示してください。
まだファイルの作成・変更やプログラム実行はしないでください。
必要な権限と、既存ファイルを上書きする可能性も示してください。
担当者は、計画の入力が以下のファイルだけか、外部サービスへの接続や送信が含まれないかを確認します。フォルダを指示しただけではアクセス制御を保証できないため、ツール側で実際に許可する範囲も確かめてください。
計画を確認してから、照合と保存を任せる
入力・出力と実行内容に問題がなければ、次を送ります。権限を求める画面が出たら、対象と処理を読み、理解できる範囲だけを許可してください。
確認した計画に沿って進めてください。
required.csvのIDとreceived.csvをプログラムで照合してください。
未受領は依頼対象、受領済みは再依頼しない、確認中は担当者の確認対象へ分けてください。
重複ID・未知のID・受領状況の欠落や想定外の状態があれば止め、担当者へ確認してください。
資料名と対象期間を残し、requested_dateは事務所の提出希望日と表現してください。
依頼対象の資料だけで、顧問先への短い依頼文案も作ってください。提出方法などの不足は、文案と別の確認事項へ分けてください。
税務上の必要資料、法定期限、顧問先への送信先は追加しないでください。
入力は変更・削除しないでください。外部への送信や本番の更新は行いません。
照合用の処理はtoolsへ、確認表・説明原稿・件数の検査結果は新規outputへ保存してください。
同名の出力がすでにある場合は上書きせず、止めて保存先を確認してください。
入力形式の異常は推測で補わず止め、該当ファイルと行を報告してください。
実行後は、作成・変更したファイルと検査結果を説明してください。
文章を作るだけで終えず、toolsに照合処理、outputにcheck.csv(確認表)、draft.md(文案または記入ガイド)、validation.txt(件数・異常の検査結果)があるかを確認します。.mdは文章用のファイル形式で、テキストエディタでも内容を読めます。
期待する件数と元の値を照合する
次は編集部が架空の材料から作った説明例です。エージェントの出力が同じ件数でも、内容を元ファイルと一行ずつ比べてください。
| 対象 | 確認表に残す内容 |
|---|---|
| D01 | 未受領一覧:9月分の売上請求書控え |
| D02 | 受領済み:依頼対象から除く |
| D03 | 確認中:担当者へ戻す。再依頼しない |
資料3件のうち、依頼対象1件、受領済み1件、確認中1件が期待結果です。依頼文案は「9月分の売上請求書控えについて、11月5日を事務所の提出希望日としてご用意をお願いいたします」。提出方法が入力にないため、文案とは別に「提出方法を担当者が確認」と残します。顧問先への送信は行いません。
TKC全国会のAI活用の基本方針に関する公表資料は、TKC会員事務所を対象とする方針です。すべての事務所の統一規則とは扱わず、担当税理士が自事務所に適用される守秘・契約・指針を確認します。本例の照合は申告書の作成や税務判断の代わりになりません。
元ファイルを残して、一回の照合から試す
初回はこの架空例だけで処理を進め、元のinputが変わっていないか、予定外のファイルを作っていないかも確認します。出力の確認と直しにかかった時間を含め、従来の作業と比べてください。
PC上のファイルでも、内容がAIサービスのクラウドへ送られる場合があります。実データへ広げる前に、契約、社内ルール、保存・共有の条件、入力範囲を管理者が確認します。氏名だけを消せば入力できるとは判断しません。
保存した処理を次回使うときも、入力の形式と実行範囲を確認し、前の成果物を残す別の出力先を指定します。繰り返し使える処理ができたことと、無人で定期実行できることは別です。定期実行には、別の設定と確認・保守の担当が必要になります。
※公式情報の確認日:2026年10月29日。入力と完成例は、実在の情報を含まない編集部の説明例です。各製品での実行結果や、当社の導入実績・効果測定を示すものではありません。