不動産業のAIエージェント活用|物件の数値と空欄を照合
架空の物件表と紹介原稿をIDで照合し、面積の不一致や未確認情報を一覧にする方法。紹介文を別ファイルに保存し、掲載前に担当者が確認する手順を紹介します。
不動産仲介・管理の仕事では、複数物件の紹介文を用意しながら、面積や費用が原資料と合っているかを確認します。AIエージェントには、物件IDで表と原稿を読み合わせ、不一致や空欄を一覧にする処理まで依頼できます。
この記事では架空の2物件を扱います。成果物は紹介本文の下書きと社内の確認表であり、広告に必要な表示事項すべてを満たす完成広告ではありません。
専用フォルダを選び、まず読み取りだけを依頼する
PCに練習専用フォルダを作り、その中にinputというフォルダを作ります。テキストエディタで、下に示す各ファイルをUTF-8のテキストとして保存してください。CSVは見出しも含めてコピーします。CSVとは、項目をカンマで区切った表のファイルです。
会社が利用を認めたCodexまたはClaude Codeで、この練習フォルダを作業場所として開きます。初期設定や画面はPC・契約・管理者設定で異なるため、Codexを選べるOpenAI公式アプリ案内かClaude Code公式案内で導入方法を確認してください。設定や実行命令が分からない場合は、社内の担当者に確認してから進めます。
ここでいうAIエージェントには、文章の回答に加え、許可された範囲でファイルを読み、照合用の処理を作って実行し、結果を保存するところまで依頼します。チャットでもファイル作成などは可能な場合があり、製品の優劣を示す区分ではありません。
練習用の2ファイルを保存する
この例では、area_m2は専有面積(平方メートル)、parking_fee_yenは駐車場料金(円)です。料金の空欄は未確認を表します。
input/properties.csv
id,layout,area_m2,parking_fee_yen
P01,1LDK,40,
P02,2DK,45,5000
input/drafts.csv
id,layout,area_m2,parking_fee_yen
P01,1LDK,42,0
P02,2DK,45,5000
変更する前に、読む範囲と作るものを確かめる
入力ファイルを保存したら、エージェントの会話欄へ次を送ります。
input内の練習ファイルを読むだけにしてください。
入力の列・件数・不足を整理し、照合の方法と作るファイルを計画として示してください。
まだファイルの作成・変更やプログラム実行はしないでください。
必要な権限と、既存ファイルを上書きする可能性も示してください。
担当者は、計画の入力が以下のファイルだけか、外部サービスへの接続や送信が含まれないかを確認します。フォルダを指示しただけではアクセス制御を保証できないため、ツール側で実際に許可する範囲も確かめてください。
計画を確認してから、照合と保存を任せる
入力・出力と実行内容に問題がなければ、次を送ります。権限を求める画面が出たら、対象と処理を読み、理解できる範囲だけを許可してください。
確認した計画に沿って進めてください。
properties.csvを確認済みの原資料に見立て、IDでdrafts.csvと照合してください。
間取り・面積・駐車場料金の一致と空欄をプログラムで検出してください。空欄を0円と解釈しないでください。
判明した間取りと面積だけで各物件の紹介本文案を作ってください。
未確認の駐車場料金、交通条件、日当たり、空室、賃料などは追加せず確認表へ残してください。
入力は変更・削除しないでください。外部への送信や本番の更新は行いません。
照合用の処理はtoolsへ、確認表・説明原稿・件数の検査結果は新規outputへ保存してください。
同名の出力がすでにある場合は上書きせず、止めて保存先を確認してください。
入力形式の異常は推測で補わず止め、該当ファイルと行を報告してください。
実行後は、作成・変更したファイルと検査結果を説明してください。
文章を作るだけで終えず、toolsに照合処理、outputにcheck.csv(確認表)、draft.md(文案または記入ガイド)、validation.txt(件数・異常の検査結果)があるかを確認します。.mdは文章用のファイル形式で、テキストエディタでも内容を読めます。
期待する件数と元の値を照合する
次は編集部が架空の材料から作った説明例です。エージェントの出力が同じ件数でも、内容を元ファイルと一行ずつ比べてください。
| 対象 | 確認表に残す内容 |
|---|---|
| P01 | 面積:原資料40平方メートル/原稿42平方メートル |
| P01 | 駐車場料金:原資料空欄/原稿0円。未確認として担当へ戻す |
2物件の3項目ずつを照合し、P01に2件の確認事項、P02に不一致0件が期待結果です。紹介本文案は「専有面積40平方メートルの1LDKです」「専有面積45平方メートルの2DKです」。駐車場が無料、駅に近いなどの推測を加えません。確認表から物件IDと元の行へ戻れるかも点検します。
首都圏不動産公正取引協議会の解説は、業者間図面を用いても広告主が内容を精査する必要を示しています。AI出力と原資料が一致することと、広告として必要な表示を満たすことは別です。掲載前に広告確認担当者が募集状況と必要項目を確かめます。
元ファイルを残して、一回の照合から試す
初回はこの架空例だけで処理を進め、元のinputが変わっていないか、予定外のファイルを作っていないかも確認します。出力の確認と直しにかかった時間を含め、従来の作業と比べてください。
PC上のファイルでも、内容がAIサービスのクラウドへ送られる場合があります。実データへ広げる前に、契約、社内ルール、保存・共有の条件、入力範囲を管理者が確認します。氏名だけを消せば入力できるとは判断しません。
保存した処理を次回使うときも、入力の形式と実行範囲を確認し、前の成果物を残す別の出力先を指定します。繰り返し使える処理ができたことと、無人で定期実行できることは別です。定期実行には、別の設定と確認・保守の担当が必要になります。
※公式情報の確認日:2026年10月29日。入力と完成例は、実在の情報を含まない編集部の説明例です。各製品での実行結果や、当社の導入実績・効果測定を示すものではありません。