社労士のAIチャット活用|顧問先への資料依頼文を作る手順
社会保険労務士事務所で、担当者が確定した依頼資料をAIチャットで文面にする方法を紹介。架空の材料と完成例で、制度上の必要書類や期限をAIに決めさせずに試せます。
社会保険労務士事務所で、顧問先へ不足資料をお願いする文章を毎回書いているなら、依頼事項の整理にAIチャットを使えます。ChatGPT・Claudeに渡すのは、社労士が確認した資料名と連絡条件です。資料が法令上必要かを判定させる作業とは分けます。
ここでは、架空の顧問先への依頼文を一通作ります。実在する従業員の給与、個人番号、健康情報などは使いません。
必要書類と期限は、先に担当者が確定する
厚生労働省の社会保険労務士制度の説明では、労働・社会保険に関する書類の作成・提出代行や相談等が案内されています。以下は制度上の必要書類一覧ではなく、架空の事務所が依頼内容を決めた後の文章作成例です。
「入社の手続に必要な書類を全部教えて」と依頼すると、手続の種類、本人の状況、最新の条件を確かめないまま文章ができてしまいます。今回は、何を依頼するかは資格者が決め、AIには伝わりやすい文面を頼みます。
架空の依頼メモを、新しい会話へ貼る
事務所で利用を認めたChatGPTまたはClaudeを開き、新しい会話に以下をまとめて貼って送信します。記号化した実案件ではなく、この練習用の内容をそのまま使ってください。
架空の事務連絡。制度上の必要書類を示すものではありません。
宛先:練習会社の事務担当者
依頼ID:R-01
依頼資料:担当者が確認済みの「勤務予定の確認表」
受領済み:「連絡先の確認表」
希望提出日:11月5日(法定期限ではない)
提出方法:事務所指定の共有窓口。具体的なURLは未記載
資料依頼のメール本文を作ってください。
未受領資料だけを依頼し、受領済み資料は再提出を求めないでください。
提出希望日と提出方法を記載してください。
制度名、法定期限、罰則、実在する共有URLは追加しないでください。
期限が難しい場合は担当者へ連絡する案内を入れてください。
完成例
練習会社 事務ご担当者様
「連絡先の確認表」を受領しました。ご対応ありがとうございます。
未受領の「勤務予定の確認表」を、11月5日を目安に事務所指定の共有窓口へお送りください。ご対応が難しい場合は、担当者へご連絡をお願いいたします。
再依頼と、法定期限への言い換えを防ぐ
今回の依頼対象はR-01の一資料です。文面に「連絡先の確認表も提出」とあれば、受領済みの情報を取り違えています。また、11月5日は希望日なので、「法定期限」「期限厳守」「遅れると不利益が生じる」と置き換わっていないかを見ます。
文章が硬ければ、同じ会話で「資料名と日付は変えず、相手が返信しやすい依頼文にしてください」と修正を頼みます。柔らかくする際も、未受領資料の名称は省略しません。
最初は一案件で、担当社労士が確認する
依頼一覧の正本と文面を横に並べ、資料名・受領状況・日付・窓口を担当者が照合します。その後で、実際の提出方法を記載し、人が送信してください。会社名を伏せるだけでは入力可とは判断せず、利用サービスの契約、情報の保存条件、事務所の運用を確認してから実務へ移します。
まずは架空例で、依頼対象が一つに絞れたかを確認します。初回から資料判定や申請作成まで広げず、文面作成と確認の負担がどう変わるかを記録しましょう。
ここでは、材料を会話へ貼り、文章の下書きと修正を頼む使い方に絞っています。Claudeの公式案内にはファイル作成などの機能もあります。チャットとエージェントは、製品の能力だけで二分できるものではありません。
※作例は架空の材料をもとに編集部で作成した説明例です。各製品の実行結果や導入実績ではありません。公式情報の確認日:2026年10月29日。