介護事業のAIエージェント活用|空欄様式の項目を整理
介護事業所の空欄の申し送り・業務連絡様式から、共通項目と固有項目、記入ガイドを作る方法。架空ファイルで照合し、利用者情報を使わず試す手順を紹介します。
介護事業所で複数の申し送り様式を使っていると、どの欄に事実や対応を書くかが職員ごとに違うことがあります。AIエージェントを使い、空欄の様式から項目を抜き出して、共通点と違いが分かる対照表と記入ガイドを作る例を紹介します。
初回は、利用者や職員の実記録を含まない架空の見出しだけを使います。ケア内容の判断や事故対応をAIへ委ねる記事ではありません。
専用フォルダを選び、まず読み取りだけを依頼する
PCに練習専用フォルダを作り、その中にinputというフォルダを作ります。テキストエディタで、下に示す各ファイルをUTF-8のテキストとして保存してください。CSVは見出しも含めてコピーします。CSVとは、項目をカンマで区切った表のファイルです。
会社が利用を認めたCodexまたはClaude Codeで、この練習フォルダを作業場所として開きます。初期設定や画面はPC・契約・管理者設定で異なるため、Codexを選べるOpenAI公式アプリ案内かClaude Code公式案内で導入方法を確認してください。設定や実行命令が分からない場合は、社内の担当者に確認してから進めます。
ここでいうAIエージェントには、文章の回答に加え、許可された範囲でファイルを読み、照合用の処理を作って実行し、結果を保存するところまで依頼します。チャットでもファイル作成などは可能な場合があり、製品の優劣を示す区分ではありません。
練習用の2ファイルを保存する
input/handover.csv
field,meaning
日時,確認した日時
事実,確認したこと
対応,実施したこと
次の確認,未確認の事項
input/office-note.csv
field,meaning
日時,確認した日時
事実,確認したこと
対応,実施したこと
確認担当,次に確認する職員
変更する前に、読む範囲と作るものを確かめる
入力ファイルを保存したら、エージェントの会話欄へ次を送ります。
input内の練習ファイルを読むだけにしてください。
入力の列・件数・不足を整理し、照合の方法と作るファイルを計画として示してください。
まだファイルの作成・変更やプログラム実行はしないでください。
必要な権限と、既存ファイルを上書きする可能性も示してください。
担当者は、計画の入力が以下のファイルだけか、外部サービスへの接続や送信が含まれないかを確認します。フォルダを指示しただけではアクセス制御を保証できないため、ツール側で実際に許可する範囲も確かめてください。
計画を確認してから、照合と保存を任せる
入力・出力と実行内容に問題がなければ、次を送ります。権限を求める画面が出たら、対象と処理を読み、理解できる範囲だけを許可してください。
確認した計画に沿って進めてください。
2つの様式のfieldを正確な文字列で比較してください。意味が似ていても自動で統合しないでください。
共通項目と様式固有の項目を、元ファイル・行番号付きで抽出してください。
各欄に何を書くかをmeaningから説明し、空欄の記入ガイドを作ってください。
利用者の状態、症状、原因、未実施のケアを例として追加しないでください。
入力は変更・削除しないでください。外部への送信や本番の更新は行いません。
照合用の処理はtoolsへ、確認表・説明原稿・件数の検査結果は新規outputへ保存してください。
同名の出力がすでにある場合は上書きせず、止めて保存先を確認してください。
入力形式の異常は推測で補わず止め、該当ファイルと行を報告してください。
実行後は、作成・変更したファイルと検査結果を説明してください。
文章を作るだけで終えず、toolsに照合処理、outputにcheck.csv(確認表)、draft.md(文案または記入ガイド)、validation.txt(件数・異常の検査結果)があるかを確認します。.mdは文章用のファイル形式で、テキストエディタでも内容を読めます。
期待する件数と元の値を照合する
次は編集部が架空の材料から作った説明例です。エージェントの出力が同じ件数でも、内容を元ファイルと一行ずつ比べてください。
| 対象 | 確認表に残す内容 |
|---|---|
| 共通3項目 | 日時、事実、対応 |
| handover.csvだけ | 次の確認 |
| office-note.csvだけ | 確認担当 |
それぞれ4項目、重複を除くと5種類、共通は3項目です。ガイドの例は「事実:確認したことを書く」「対応:実施したことを書く」。管理者が欄の役割を確認する前に、二つの様式を一つへ統合しません。見出しが抜けている様式は、欠けた項目を一覧に残して確認します。
厚生労働省の介護生産性向上ポータルは、記録・報告様式や情報共有の工夫を取り組みとして挙げています。本例はその業務整理に使う提案であり、特定のAI製品を厚生労働省が推奨した事例ではありません。実記録の利用可否は、管理者が別途判断します。
元ファイルを残して、一回の照合から試す
初回はこの架空例だけで処理を進め、元のinputが変わっていないか、予定外のファイルを作っていないかも確認します。出力の確認と直しにかかった時間を含め、従来の作業と比べてください。
PC上のファイルでも、内容がAIサービスのクラウドへ送られる場合があります。実データへ広げる前に、契約、社内ルール、保存・共有の条件、入力範囲を管理者が確認します。氏名だけを消せば入力できるとは判断しません。
保存した処理を次回使うときも、入力の形式と実行範囲を確認し、前の成果物を残す別の出力先を指定します。繰り返し使える処理ができたことと、無人で定期実行できることは別です。定期実行には、別の設定と確認・保守の担当が必要になります。
※公式情報の確認日:2026年10月29日。入力と完成例は、実在の情報を含まない編集部の説明例です。各製品での実行結果や、当社の導入実績・効果測定を示すものではありません。