生成AIでWBSを作る手順|福島県の中小企業向け作業分解の進め方
新しい企画の作業を生成AIで洗い出し、WBSに整理する手順を解説。福島県の中小企業の総務・業務改善担当者向けに、成果物と完了条件、作業の抜け・重複、前後関係、担当と期限を確認する方法を紹介します。架空の備品管理表の導入例と、そのまま調整して使えるプロンプト付きです。
生成AIでWBSを作るときは、最初に「何ができたら終了か」と「今回はどこまで行うか」を伝えます。そのうえで成果物を小さな作業へ分け、担当者が抜け・重複・完了条件を確認してください。日付を入れるのは、作業の前後関係と担当者の空き時間を確かめてからです。
WBSは、Work Breakdown Structureの略で、プロジェクトで必要な仕事を階層的に分けたものです。この記事では、成果物ごとに作業を整理する「作業分解表」として扱います。横軸に日付を置くガントチャートとは役割が異なり、WBSだけでは実行可能な日程は決まりません。
福島県の中小企業で、通常業務と並行して改善企画を進める総務・業務改善担当者に向けた実務提案です。特定のAI製品や管理ツールの操作ではなく、計画の下書きを確認して使う方法を紹介します。
WBS作成では、成果物から必要な作業を分ける
「備品の管理方法を見直す」という企画を、そのまま一つのタスクにすると、誰が何をすれば完了なのかが曖昧になります。まず「管理表」「記入ルール」「試行結果」のように、最後に残す成果物を分けましょう。
次に、管理表を完成させるための作業を並べます。必要な項目を決める、ひな形を作る、サンプルを入力する、使う人に確認してもらう、といった分解です。「確認してもらう」も計画に含めると、作成だけで終わった扱いになるのを防げます。
既存の依頼から作業を拾う場合は、メールから対応タスクを抽出する方法が役立ちます。WBS作成では、依頼文にまだ書かれていない準備や確認も候補として挙げ、実施するかを人が決めます。
AIに渡す前に、目的・成果物・対象外をそろえる
最初の入力は短くても構いません。ただし「業務改善の計画を作って」だけで依頼すると、不要なシステム導入や研修まで候補に混ざることがあります。今回の範囲が分かる情報を先に用意してください。
以下は、実在の会社や案件に基づかない架空の練習例です。
| 入力項目 | 備品管理表を試す場合の記入例 |
|---|---|
| 目的 | 備品の貸出先と返却予定を確認できるようにする |
| 対象 | 一つの部署の共有備品 |
| 成果物 | 管理表、記入ルール、試行結果メモ |
| 完了条件 | サンプルの貸出・返却を記録し、未返却の備品を確認できる |
| 今回の対象外 | 全部署への展開、新しいシステムの購入 |
| 使うもの | 既存の表計算ソフト |
| 未決定事項 | 実施担当、確認担当、開始日、試行期間 |
担当や日程が未定なら、そのまま未定と書きます。AIにもっともらしい名前や期限を補わせないことが、計画を確認しやすくする第一歩です。
実務資料を入力するときは、会社が利用を認めたAIと情報の範囲を確認します。個人名を消しても、未公開の企画や取引情報を入力してよいことにはなりません。最初は上のような架空例で試し、AI活用ルールに沿って対象を選びましょう。
WBSの下書きは、成果物と作業の二段階で依頼する
最初から細かな日程まで作らせるより、成果物の一覧を確認した後、作業へ分解する流れを勧めます。対象外の仕事が入ったまま細分化すると、修正する行数が増えてしまうためです。
最初の依頼文は、次のように組み立てられます。角括弧の部分を、入力可能な内容に置き換えて使ってください。
次の企画について、WBSを作る前に成果物の候補を整理してください。
目的:[目的]
対象:[対象範囲]
成果物:[分かっている成果物]
完了条件:[企画全体の完了条件]
対象外:[今回行わないこと]
制約:[利用する道具、予算や期間などの確定条件]
未決定事項:[未定の事項]
入力から確認できるものと、追加の提案を分けてください。
対象外の内容は計画に入れないでください。
不足情報は推測で埋めず、確認事項として出してください。
まず「成果物・完成した状態・根拠となる入力・確認事項」の表を作り、
細かな作業や日付の作成は待ってください。
成果物を採用・修正したら、続けて作業の分解を依頼します。
確認した成果物の一覧をもとに、WBSの下書きを作ってください。
成果物ごとに親ID、その下の作業に子IDを付けてください。
列は「ID・作業名・完了条件・先に終える作業ID・担当・根拠または提案」。
作業名は、何をするか分かる動詞で書いてください。
確認・修正・承認に必要な作業も候補として挙げてください。
同じ作業を複数の成果物で二重に計上しないでください。
未指定の担当・工数・日付は補わず、未定としてください。
最後に、重複の疑いと範囲が曖昧な作業を別に列挙してください。
「根拠または提案」の列は、AIの追加案を確定事項と混同しないために使います。作業を増やす提案には、今回必要かどうかを一つずつ判断してください。
作業分解表の例:完了条件を確認できる言葉にする
次の表も架空の例です。管理表という成果物に絞った一部分であり、企画全体の完成版WBSではありません。
| ID | 作業 | 完了条件 | 先に終える作業 |
|---|---|---|---|
| 1.1 | 管理する項目を決める | 備品名・貸出先・貸出日・返却予定・返却日の採用項目を確認担当が了承した | なし |
| 1.2 | 管理表のひな形を作る | 採用項目に対応した入力欄がある | 1.1 |
| 1.3 | サンプルを入力する | 貸出中と返却済みの架空データが入っている | 1.2 |
| 1.4 | 利用者役が記入を試す | 貸出・返却を記入し、迷った箇所を記録した | 1.3 |
| 1.5 | 指摘を修正して確認を受ける | 指摘ごとの対応を確認担当が了承した | 1.4 |
「管理表を改善する」だけでは、完成の判断が人によって変わります。「指摘ごとの対応を確認担当が了承した」まで書けば、確認が残っている状態を区別できます。
作業を細かくする目安は、担当者が着手でき、終わったかを確認できることです。すべてを同じ時間単位にそろえるために分割する必要はありません。一行に「項目を決めて表を作り、説明する」と複数の成果が入っていたら、分けて考えてみてください。
日程を決める前に、抜け・重複・前後関係を点検する
下書きができたら、AIへの追加指示だけで済ませず、実際に作業する人と表を確認します。点検する順序は、対象範囲、作業の内容、前後関係です。
- 抜け:各成果物を完成させる作成・確認・修正が含まれているか。
- 重複:同じ記入ルールの作成を、管理表と利用者説明の両方で数えていないか。
- 範囲の拡大:対象外にした全部署展開や購入作業が混ざっていないか。
- 前後関係:確認が終わる前に、配布や試行を始める順番になっていないか。
- 循環:作業AがB待ち、BがA待ちという関係になっていないか。
親の成果物と子の作業に両方工数を入れると、合計で二重計上する恐れがあります。集計する単位を決め、たとえば最下層の作業だけに工数を入れてください。
日付を入れる際は、作業時間と待ち時間も分けます。修正に一時間かかるとしても、確認者の返事を待つ間に一日進むことがあります。通常業務を兼任する担当者なら、ほかの予定も確認しなければ実施日は決められません。AIが提示した時間や日付を、そのまま約束する納期にはしない運用が必要です。
確認済みのWBSを管理表へ移し、変更理由を残す
担当・完了条件・前後関係を確認した作業から、普段使う表計算ソフトなどへ移します。開始前の下書きと、合意した計画は別の版として保存してください。
途中で作業が増えたら、ID、追加理由、影響する成果物、担当、期限の変更を記録します。終わった作業のIDを別の仕事に使い回すと、過去の報告と対応しなくなります。元の行を残し、取りやめた場合はその状態が分かるようにしましょう。
AIに再整理を依頼するときも、「既存IDと完了済みの作業は保持し、変更案だけ示す」と範囲を指定します。毎回一覧を作り直す運用では、前に決めた条件が消えても見落としやすくなります。
生成AI研修では、一つの企画で分解と確認を練習する
社内研修の演習なら、短い架空の企画から始め、成果物の整理、作業分解、レビューまでを一組で行います。評価するのはタスク数の多さではなく、対象外の作業を除けたか、未定事項を見つけたか、完了条件を説明できるかです。
まだ改善企画を選べていない場合は、先に業務棚卸しシートで対象を絞ります。何を改善するかを決めた後にWBSを作ると、計画の目的がぶれにくくなります。
合同会社コミットメントでは、福島県の企業向けに生成AI研修やAI導入支援を行っています。福島県向けAI活用支援の相談では、まず進めたい企画と計画作りで困っている点をお知らせください。実際の社内資料を送る前に、演習の対象と扱う情報を確認します。
WBS作成と生成AIについてよくある質問
AIに目的だけ伝えれば、完成版のWBSになりますか?
目的だけでは、社内の承認手順や対象外の範囲、担当者の予定が分かりません。下書きの候補として使い、成果物と完了条件を担当者が確認してから計画に取り込みます。
WBSとガントチャートは、どちらから作りますか?
この記事で勧める順序は、WBSで必要な作業を整理し、前後関係と担当を確認してから日程を置く方法です。先に日付を埋めても、必要な作業が抜けていれば計画を組み直すことになります。
専用のプロジェクト管理ツールが必要ですか?
最初の小さな企画では、表計算ソフトで作業と完了条件を確認する方法も選べます。共同編集や通知などで困る点が出たら、その要件を整理して道具を検討してください。