生成AIでアンケートの設問を作る方法|誘導表現・選択肢・分岐の確認手順
生成AIでアンケートの質問文と選択肢を作る手順を紹介。回答後に決めることを絞り、誘導表現、答えられない質問、フォームの分岐を確認する方法を解説します。
生成AIを使うと、アンケートの質問文と選択肢の下書きを作れます。まず「回答を集めた後に何を決めるか」を一つ選び、対象者と聞きたい場面をAIへ伝えます。配布前には実際に回答して、答えにくい質問や選択肢を直してください。
「満足度を知りたい」だけでは、回答が集まっても、資料を直すのか、説明の時間を変えるのかが決まりません。福島県の中小企業で総務や研修担当者が使うなら、まず一つの改善判断に絞った短い質問票から始めることを勧めます。
この記事は配布前の質問設計を扱います。すでに集まった回答の分類・要約は、顧客アンケートを生成AIで整理する方法をご覧ください。特定のツールの操作や自動配信ではなく、会社が利用を認めた生成AIで下書きを作るための実務手順です。
アンケート作成の前に、回答を使って決めることを一つ選ぶ
AIに「10問作って」と頼む前に、次の四つを書き出します。質問数は、必要な判断材料を決めた後で絞ります。
| 決める項目 | 架空の社内説明会を題材にした例 |
|---|---|
| 回答後の判断 | 次回、備品予約の説明資料で直す箇所を選ぶ |
| 対象者 | 今回の説明会に参加した人 |
| 思い出してほしい範囲 | 今回の説明会と、そこで配布した資料 |
| 今回は判断しないこと | 社員の能力評価、予約システムの買い替え |
この例なら、給与や職場全体への満足度を聞く必要はありません。「参考になりそう」という理由で設問を増やすと、目的の違う回答が混ざります。
設問ごとに「この答えが分かったら、何を見直すか」を一行添えてください。使い道を説明できない質問は、いったん外します。研修の成果を確かめたい場合は、満足度だけで判断せず、研修効果の測定方法と合わせて設計しましょう。
AIへ渡す材料は、質問の目的と対象範囲まででよい
設問のたたき台を作る段階では、回答者名簿や実際の回答は不要です。説明会の概要、聞きたい場面、候補の選択肢があれば、質問文の案を検討できます。
社内資料を使う際は、会社が認めた入力範囲を確認します。氏名を消しても、案件内容や内部の運用情報を自由に入力してよいことにはなりません。練習では、後述する架空の材料だけを使ってください。
回答の集め方も先に決めます。無記名と案内するなら、フォームのログイン情報やメールアドレスの取得設定まで確認が必要です。また、部署・役職・勤続年数を細かく組み合わせると、名前を聞かなくても誰の回答か推測できる場合があります。今回の判断に使わない属性は集めない、という方針から始めるのが実務的です。
アンケート設問を作るプロンプトには、表示条件も含める
以下は実在企業の情報に基づかない練習用の例です。生成される設問数や表現が毎回同じになることを保証するものではありません。
次の架空の説明会について、配布前確認用のアンケート案を作ってください。
目的:次回の備品予約説明会で、説明資料のどこを直すか決める。
対象:今回の説明会に参加した人。
振り返る範囲:今回の説明会と配布資料のみ。
説明した内容:予約方法、変更方法、返却方法。
配布資料を見ていない人もいる。
備品の予約をまだ実際に行っていない人もいる。
条件:
・設問は最大5問。数を埋めるための質問は作らない。
・一つの質問で聞く内容は一つにする。
・説明会が役立った、改善した、という結論を先に入れない。
・回答形式が単一選択か複数選択かを示す。
・未閲覧、覚えていない、該当なしを、必要な箇所で区別する。
・資料を見ていない人には、資料の読みやすさを聞かない。
・氏名、部署、連絡先、実際の予約内容は聞かない。
・自由記述は任意とし、個人名や個別案件を書かない案内を付ける。
・予約を実行できたか、業務時間が減ったかは今回の評価に含めない。
出力する列:
設問ID/質問文/回答形式/選択肢/表示条件/必須か任意か/
回答を何の見直しに使うか
最後に、回答者が迷う可能性のある箇所と、
担当者が配布前に確かめる項目を列挙してください。
質問票の下書きだけを作り、フォーム作成や送信はしないでください。
出力を受け取ったら、目的との対応を確認します。「この説明会で作業が効率化しましたか」と追加されていた場合は、今回は削除する候補です。予約をまだ使っていない人にも尋ねることになり、資料の改善箇所を探す目的から外れるためです。
誘導表現と、一度に二つ聞く質問を直す
質問文は、期待する答えを含めずに読み直します。言葉を丁寧にするだけでは、答えにくさが残ることがあります。
| 見直したい質問例 | 何が曖昧か | 修正の方向 |
|---|---|---|
| 分かりやすい資料は役立ちましたか | 資料が分かりやすいと先に決めている | 「配布資料の説明は、どの程度理解できましたか」など、聞きたい軸を明示する |
| 説明の速さと資料の文字サイズは適切でしたか | 速さと文字サイズで評価が違うと答えられない | 二問へ分けるか、今回改善する側だけを聞く |
| 普段よく予約しますか | 普段、よく、の範囲が人によって違う | 頻度が必要なら対象期間と回数の区分を決める |
| 改善してほしい点を必ず記入してください | 特にない人や判断できない人も記述を求められる | 任意回答にし、書く内容を具体的に案内する |
ここでいう修正案は、どの調査にも使える完成形ではありません。たとえば「理解できた」という自己申告と、実際に予約手順を説明できることは別です。確認したいのが手順の習得なら、質問票の満足度項目に足すより、別の演習で確かめる方が目的に合います。
AIには「この質問は良いですか」だけでなく、「何を思い浮かべれば答えられるか分からない箇所を挙げて」と頼む方法もあります。指摘を採用するかは、担当者が対象者の立場で決めてください。
選択肢と回答分岐は、未閲覧の人から試す
次の表は、先ほどの条件を人が整理した質問票の例です。特定のAIの出力や、実施済みの調査結果ではありません。
| ID | 質問と選択肢の例 | 形式・表示条件 |
|---|---|---|
| Q1 | 今回の配布資料を見ましたか。見た/見ていない/覚えていない | 単一選択・全員・必須 |
| Q2 | 配布資料の説明は、どの程度理解できましたか。十分理解できた/ある程度理解できた/あまり理解できなかった/理解できなかった/判断できない | 単一選択・Q1「見た」の人のみ・必須 |
| Q3 | 説明会で、追加の説明がほしい内容を選んでください。予約方法/変更方法/返却方法/その他/特にない/判断できない | 複数選択・全員・必須。「特にない」「判断できない」はそれぞれ単独選択 |
| Q4 | Q3で選んだ内容について、どの点の説明を追加してほしいですか。個人名や個別の予約内容は書かないでください | 自由記述・Q3で具体的な項目または「その他」を選んだ人のみ・任意 |
Q1で「見ていない」を選んだ人がQ2へ進むなら、分岐の設定を直します。Q3で「予約方法」と「特にない」を同時に選べる場合も、回答の意味が曖昧になります。フォームで排他的な選択を設定できない場合は、「追加説明は必要ですか」を先に聞くなど、質問を分ける方法を検討してください。
紙の質問票では、画面のように設問を隠せません。「Q1で『見た』を選んだ方のみ回答」と書き、飛ばす先を示します。使う媒体に応じて、同じ設問でも案内を変えましょう。
担当者は少なくとも、資料を見た人、見ていない人、覚えていない人の経路を順にたどります。Q3の「特にない」「判断できない」「その他」も試し、任意の自由記述を空欄にしたまま送信まで進めるかを確認してください。
配布前の試し回答で、意味・所要時間・保存結果を確かめる
質問を読んだ人に、「何を聞かれたと思ったか」を自分の言葉で説明してもらいます。設計者の意図と違っていたら、集計方法を工夫する前に質問文を直します。
回答時間も実際に測ります。AIが「所要時間3分」と書いたとしても、その数字は確認済みの時間ではありません。回答条件によって経路が違うため、短い経路と自由記述を含む経路をそれぞれ試してください。
最後に、試し回答が保存された表を見ます。設問ID、選択肢、空欄の扱いが想定どおりかを確認し、集計前にテスト回答を除けるよう区別しておきます。配布後に設問や選択肢を変えた場合は、変更前後の回答を同じ条件として混ぜないよう、版と変更時点を残します。
件数を報告するときは、対象者数とその設問の回答者数を分けます。Q2は資料を見た人だけの回答なので、全参加者の評価と同じ扱いにはできません。複数選択のQ3は、一人が複数の項目を選べることも併記してください。
生成AI研修では、設問を削る理由まで説明する
演習では、AIが出した案をそのまま質問票に移すのではなく、「残す」「直す」「削る」を判断する時間を設けます。完成した表の見栄えよりも、回答後に何を変えるための設問なのかを説明できるかを見ます。
使う情報と確認する担当者は、社内のAI活用ルールと合わせて決めてください。まず架空の説明会で設問設計を練習し、入力を認められた業務へ広げる順番なら、実際の名簿や回答を渡さずに進められます。
福島県で、総務や研修業務を題材にした生成AI研修を検討する方は、コミットメントのAI活用支援をご覧ください。相談前に「次回の資料で直したい箇所を決めたい」など、アンケート後に行う判断を一つ整理しておくと、演習の題材を具体化できます。
生成AIによるアンケート作成でよくある質問
AIに回答者になりきってもらえば、試し回答を省けますか?
省かないことを勧めます。架空の回答は分岐や表記の確認には使えますが、実際の対象者が質問をどう理解するかの確認には置き換えられません。架空の回答を、本番の集計へ混ぜないでください。
質問は多いほど詳しく分かりますか?
質問を増やす前に、各回答を何の判断に使うかを確認します。今回使わない情報まで集めるより、改善したい場面を絞り、答えられる質問を残します。固定の質問数を正解にせず、試し回答の負担も見て調整しましょう。
AIが作った質問票をそのまま配布してよいですか?
配布前に、目的との対応、選択肢、分岐、入力必須の設定、保存結果を担当者が確認してください。質問文が自然でも、資料を見ていない人が答えを強制されるような不備は残り得ます。
まとめ
アンケートの設問を生成AIで作るときは、回答後の判断を決めてから、質問文・選択肢・表示条件をそろえます。配布前には誘導表現を直し、答えられない人の経路も試してください。
まずは一つの説明会や案内資料について、どこを直すか決めるための短い質問票を作ってみましょう。AIで案を増やす工程と、人が必要な質問へ絞る工程を組み合わせることを勧めます。