商品名の表記ゆれを生成AIで整理する方法|福島県の中小企業向け名寄せ手順
ExcelやCSVで商品名がそろわないとき、生成AIにどこまで任せるか。福島県の中小企業向けに、既存の商品マスタとの照合、容量・入数違いの見分け方、確認用の対応表、依頼文の例を紹介します。元データを残し、保留行の確認から承認後の反映まで進める手順を解説します。
商品名の表記ゆれを生成AIで整理するなら、元の商品名を残したまま、既存の商品コードへの対応候補を作ります。容量、サイズ、色、入数が違う商品までまとめないように、AIの候補と人が確認した結果を別の列で管理してください。
この記事は、福島県の卸売・小売業や製造業で、Excel・CSVの商品一覧を照合する担当者向けです。在庫数や発注量の判断ではなく、複数の呼び方を商品マスタに結び付ける「名寄せ」の手順に絞ります。以下の表と依頼文は当社が提案する運用例で、実在企業のデータや検証実績ではありません。
商品名の表記ゆれと、別商品の違いを分ける
「ケースA」「ケースA」「ケース A」のように、文字の幅や空白だけが異なる場合があります。一方、「ケースA 小」と「ケースA 大」は、文字が似ていても別商品として扱う必要があります。
名寄せは、見た目の似た文字を一つに直す作業ではありません。同じ商品を指しているか確かめ、管理に使うコードへ対応させる作業です。最初に、自社で何を一つの商品と数えるかを決めます。
| 違いの種類 | 確認すること | 今回の進め方 |
|---|---|---|
| 全角・半角、前後の空白 | 変換しても商品識別に影響しないか | 承認した整形ルールを適用する |
| 略称・旧名称 | 正式名称との対応が確認できるか | 辞書や資料をもとに候補を出す |
| 容量・サイズ・色 | 商品マスタで別コードになっているか | 違いを残して照合する |
| 単品・箱・セット | 販売単位や入数が一致するか | 名称だけではまとめない |
| 情報不足 | 商品を特定する項目が欠けていないか | 保留し、確認事項を記録する |
同じ商品名が二つの取引明細に出ていても、その明細自体が重複とは限りません。名寄せのために元の行を削除すると、別々の取引まで消してしまいます。商品への対応付けと、重複明細の削除は別の作業として扱いましょう。
表記の整形とAIによる候補出しを分ける
当社が勧めるのは、処理の順番を「決まったルールで整形する」「確認済みの対応辞書を使う」「残った行の候補出しにAIを使う」と分ける方法です。毎回同じ置換で済む項目まで、都度AIに判断させる必要はありません。
ただし、型番のハイフンや先頭のゼロを一律に消すのは避けます。照合先で別の型番を表す可能性があるため、どの列にどの整形を認めるかを決めてから処理してください。
インテージの技術記事では、商品マスタを使った生成AIの名寄せで、入力情報の不足や候補の競合を確認する必要があると説明しています。同記事の試行では、AIが出した自信度だけでは判定品質を十分に評価できなかったと報告されています。INTAGE TECH「LLM×RAGで始める商品名寄せ」
これは同社の手法についての報告であり、すべてのAI製品の精度を示すものではありません。小さく試す場合も、「自信度が高いから採用」ではなく、何が一致し、何が不足しているかを担当者が確認できる表にします。
元データ・商品マスタ・対応表を別々に用意する
作業には三つの表を使います。元データと商品マスタを直接書き換えず、その間に確認用の対応表を置く構成です。
| 表 | 最低限そろえる項目 |
|---|---|
| 元データの作業用コピー | 行ID、元の商品名、分かっている規格・入数 |
| 照合先の商品マスタ | 商品コード、正式名称、規格、入数、販売単位、版・更新日 |
| 確認用の対応表 | 行ID、元の商品名、候補コード、根拠、不足・矛盾、判定、確認者 |
行IDは、並べ替えても元の行に戻れる番号にします。商品コードとは役割が異なるため、同じ商品が複数行にあれば、それぞれ別の行IDを付けてください。
たとえばExcel・CSVでコード「0012」を扱う場合は、取り込み時から文字列として保持する方針にします。すでに「12」に変わったデータに対し、AIにゼロを補わせると、正しい桁数まで推測させることになります。元の台帳へ戻って確かめるべき箇所です。
最初は架空の商品一覧で手順を試しましょう。実データを使う際は会社が認めた環境と入力範囲を確認し、顧客情報、価格条件、未公開の部品仕様などを除外します。品名だけでも非公開情報に当たる場合があります。判断に迷うときは、社内データを生成AIで活用する前の整理から確認してください。
架空の照合例で「候補あり」と「保留」を確認する
以下は説明用の架空の商品マスタです。実際にAIを動かした結果ではなく、担当者が確認する際の見本として示しています。
| 商品コード | 正式名称 | サイズ | 入数 | 販売単位 |
|---|---|---|---|---|
| P101 | 収納ケースA 小 1個 | 小 | 1 | 個 |
| P102 | 収納ケースA 大 1個 | 大 | 1 | 個 |
| P103 | 収納ケースA 小 6個組 | 小 | 6 | 組 |
このマスタへ、次の呼び方を照合します。
| 行ID | 元の商品名 | 候補コード | 確認用の判定と理由 |
|---|---|---|---|
| R01 | 収納ケースA 小 1個 | P101 | 候補あり。名称・サイズ・入数が対応する |
| R02 | 収納ケースA 大 1個 | P102 | 候補あり。小サイズと統合しない |
| R03 | 収納ケースA 小 | P101/P103 | 保留。単品か6個組か不明 |
| R04 | 収納ケースA 小 6個組 | P103 | 候補あり。入数と販売単位が対応する |
| R05 | 収納ケースA 中 1個 | なし | 候補なし。提示マスタに中サイズがない |
R03をP101へ寄せるには、「通常は単品だろう」という推測が入ります。元の依頼や商品資料で入数を確認するまで、対応コードを確定しません。R05も、似ている小・大のどちらかへ割り当てず、マスタが足りないのか、元の記載が間違っているのかを調べます。
この段階の「候補あり」は承認済みを意味しません。担当者が照合した後に、別の列へ確定コードを記入します。
商品名の名寄せをAIに依頼するプロンプト例
次の依頼文に、上の架空マスタと照合対象を添えて試せます。特定の製品の操作や精度を保証するものではなく、確認用の表を依頼するための例です。
照合対象の商品名を、提示した商品マスタと比較し、確認用の対応表を作ってください。
元データや商品マスタを書き換えず、対応候補だけを出してください。
出力する列:
行ID/元の商品名/候補コード/一致する項目/不足・矛盾/判定/確認事項
条件:
- 行IDと元の商品名はそのまま残す。全行を1行ずつ出力し、削除・統合しない。
- 判定は「候補あり」「保留」「候補なし」の3種類にする。
- サイズ、色、容量、入数、販売単位の違いは消さない。
- 複数候補が残る場合や、区別に必要な情報が欠ける場合は「保留」にする。
- 提示マスタにないコードや商品仕様を作らない。
- 外部検索や一般知識で不足情報を埋めない。
- 候補ありでも、人の承認済みとして扱わない。
- 数値の自信度ではなく、元データとマスタのどの項目が一致するかを書く。
商品マスタ:
(ここに照合先の表を入れる)
照合対象:
(ここに行ID付きの表を入れる)
一度に大量の行を渡す前に、人が全行を見比べられる件数で試します。件数だけでなく、商品名の長さや候補の多さでも確認負担が変わるためです。出力に行が欠けていたら、同じ依頼を繰り返すだけで済ませず、対象を分けて不足分を確認してください。
承認後の反映は行IDと件数を照合してから行う
候補が出たら、保留行だけでなく、候補ありの行も元の情報と比較します。採用するコード、確認者、確認日、参照した資料を対応表へ残しましょう。
反映前には、次の順で点検します。
- 入力と出力の行IDが一致し、欠落・重複・余計な行がないか確かめる。
- 候補コードが実際のマスタに存在し、サイズ・入数などが一致するかを見る。
- 保留・候補なしの行は未確定のまま残し、空欄を推測で埋めない。
- 承認されたコードだけを作業用コピーの新しい列へ反映する。
- 元の列や行数が変わっていないか確認し、変更前のファイルを保存する。
行数が同じでも、行の取り違えまでは防げません。行IDと元の商品名の組み合わせも照合します。在庫管理や受注システムへ取り込む場合は、そのシステムの担当者に取込形式と戻し方を確認してから進めてください。
繰り返し出てくる略称は、承認後に対応辞書へ追加すると次回の確認材料になります。ただし「収納ケースA 小」のように入数が省かれた名称を、その文字だけでP101へ固定してはいけません。辞書には適用できる条件を含め、不足する行は引き続き保留します。
商品名の表記ゆれ・名寄せでよくある質問
商品マスタがない場合もAIだけで統一できますか?
似た名称を候補グループにするところから始められますが、正式な名称やコードは担当者が決める必要があります。AIの提案をそのまま正本にせず、現物・公開カタログ・承認済み台帳などで商品を確認し、照合先を用意してください。
商品コードがすでにあれば、名前の照合は不要ですか?
同じ体系のコードが正しく付いているなら、コードを基準に照合できます。ただし、取引先の商品番号と自社コードなど、発行元の違う番号を同じものとして比べないようにします。コードが一致しても名称や規格が食い違う行は、確認対象に残しましょう。
名寄せで重複した商品を削除してよいですか?
対応候補が同じだからといって、元の行を消すことは勧めません。取引明細は残し、集計用の列へ確定コードを付けます。商品マスタ自体の統廃合が必要なら、過去の取引や関連システムへの影響を別に確認します。
まず一つの一覧で、確認済みの対応表を作る
商品名の名寄せでは、名称をそろえることと、別商品を混ぜないことを両立させます。元データ、商品マスタ、対応表を分けておけば、誰が何を根拠に確定したかを後から追えます。
まずは一つの商品群を選び、略称、規格違い、情報不足を含む架空の一覧で試してください。整理したコードを日々の業務へ使う際は、在庫管理でのAI活用やExcel集計・報告書の整理も参考になります。
福島県で生成AI研修やAI導入支援を検討している方は、コミットメントのAI活用支援をご覧ください。相談時には、照合したい表の項目名と、判断に迷う架空例を用意すると、AIへ任せる範囲を具体的に検討できます。