不動産業のAIチャット活用|物件紹介と内見後の連絡
不動産仲介・管理会社が、確認済みの物件情報から紹介文や内見後の連絡を作る手順を紹介。架空の入力例と完成例、広告掲載前の確認点を解説します。
不動産会社では、調査・確認済みの物件情報をもとに、生成AIで紹介文の下書きを作れます。内見後の連絡も、「確認できたこと」と「これから調べること」を分けて整理できます。
この記事は、ChatGPTやClaudeなどのAIチャットに材料と指示を貼り、返ってきた文章を担当者が確認する使い方を扱います。チャットにもファイルを扱える機能はありますが、ここでは文章のやり取りだけで試します。
物件紹介では設備や契約条件を保ち、内見後の連絡では未回答の質問を残す。この二つを、架空の材料で試す手順を紹介します。
物件情報は、確認済みと未確認を分けて渡す
材料には、掲載が認められた最新の募集図面や社内の確認表を使います。顧客の申込書、本人確認書類、入居者名簿は、紹介文を作るための材料には不要です。
| 用意する情報 | 担当者が確認すること |
|---|---|
| 所在地、面積、間取り | 元資料や現地確認との一致 |
| 設備と利用条件 | 現在使える設備、駐車場などの契約条件 |
| 賃料や費用 | 募集条件、別途必要な費用、更新状況 |
| 周辺施設や交通 | 確認した距離・経路・所要時間 |
| 未確認事項 | 不明な点を明示し、紹介文に混ぜない |
管理物件であっても、オーナーとの契約や社内ルールに沿って、外部AIに渡してよい資料かを先に確認します。
紹介文は、設備などの事実を短く伝える
以下は架空の物件情報です。
【文章作成の練習用】
物件:架空の賃貸住宅A
確認済み:1LDK、専有面積40平方メートル、エアコン1台
駐車場:敷地内1台分を別契約。料金は未確認
未確認:駅からの所要時間、インターネット設備、日当たり
会社で利用を認めたChatGPTやClaudeを開き、新しいチャットを始めます。上の架空の物件情報と下の指示文を、一つの入力欄へ続けて貼り、まとめて送信してください。初回は実際の物件資料や顧客情報に置き換えず、この例のままで試します。
確認済みの情報だけで、物件紹介文の本文を作ってください。
駐車場の別契約条件は省略しないでください。
未確認事項は紹介文に入れず、担当者向けの確認一覧に分けてください。
最上級の表現や、駅近、日当たり良好などの推測は加えないでください。
完成例(架空の材料をもとに編集部で作成)
専有面積40平方メートルの1LDKです。エアコンを1台備えています。敷地内の駐車場1台分は別契約となります。
担当者の確認事項:駐車場料金、駅からの所要時間、インターネット設備、日当たり。
これは紹介文の一部分です。この文章だけでは、物件広告に必要な表示事項を満たしません。 必要な費用や取引条件を確認し、掲載媒体の項目を埋めてから公開します。
内見後の連絡では、未回答の質問を残す
内見メモは、顧客を特定できる情報を除いた練習用データで試します。たとえば「駐車場の幅を質問された。管理担当に確認予定。回答日未定」なら、AIには「回答済みと未回答を分け、確認前の約束を加えない」と指示します。
連絡文の例は、「駐車場の幅については、管理担当に確認して改めてご連絡します」です。確認していない空き状況や「明日までに必ず回答します」といった期限を、AIに補わせないようにします。実際の送信先や氏名は、確認後に社内の連絡システムで扱います。
掲載の責任は、原資料と照合して確認する
首都圏不動産公正取引協議会の解説では、業者間図面を使う場合でも、広告を表示する事業者が内容を精査する必要があると説明されています。AIで言い換えた文章も、確認済みの原資料に戻って点検する運用にします。
交通の所要時間や面積の表示には確認すべき基準があります。物件の内容・取引条件等の表示基準に関する相談事例も参照し、AIの一般知識だけで数値を作らないでください。実際の掲載は、自社の広告確認担当者が適用ルールと最新の募集状況を確認します。
一件の紹介文で、使えるかを確かめる
架空の例を試したら、社内ルールに沿って確認済みの一物件を対象にします。最初に見るのは、別契約などの条件が消えていないか、未確認の設備や交通条件が加わっていないかです。担当者が原資料と出力を一文ずつ照合し、修正箇所と確認にかかった手間を記録します。契約書や重要事項説明の確認は、別の業務として担当者が行います。
問い合わせ対応を整える場合は、返信文の作り方も参考にできます。
※公式情報の確認日:2026年10月29日。